脱脂綿とカット綿
脱脂綿とは、綿花をほぐし、脂分を除去(脱脂)し、漂白したものです。
特長と用途
製造過程で脂分を除去していることから、わずか5gで水分100gを吸収するという、極めて高い吸水性を有しています。
その特長から、体表から少量の体液を吸収する、薬液を染み込ませて貼り付けるなど、主に医療現場で使われています。
注射の前に患部をアルコール消毒する場面を見たことがあると思いますが、その時使用されているのも脱脂綿です。
その他にも、肌のお手入れ、赤ちゃんのおしりふき、和服を着る際の補整、巻き爪の痛み緩和、かいわれ大根の育成など、さまざまな使い道があります。
カット綿
脱脂綿を使いやすいサイズに裁断したものをカット綿と呼びます。
当社では3cm×3cmから8cm×16cmまでの各種サイズをご用意しています。
ガーゼ
ガーゼとは、織り目の粗い平織り(縦横の糸を1本ずつ交差させて織ること)の綿布です。綿紗(めんしゃ)と呼ばれることもあります。
ガーゼは明治時代にもたらされたドイツ語の「Gaze」が語源ですが、元をたどればパレスチナのガザにたどり着くという説があります(ガーゼの原型となる織物が、ガザの名産品であったことに由来)。
通気性、吸湿性に優れています。つまり、汗などの水分を良く吸い、すぐに乾くのが特長です。
タオルケット、ハンカチ、マスク、包帯などに加工される他、管楽器のお手入れなどにも使用されています。
また、手術の際に血液を吸収したり、体組織を保護したりするために大量に使用されます。
包帯
傷口を保護する、患部を固定する、骨折部分に添えられた添木を固定するなど、さまざまな用途で使用されています。
裂
現在はガーゼの包帯が使用されていますが、かつては晒(サラシ。白くて細長い布)を縦に裂いたものを包帯として使用していました。
3等分したものを3裂、4等分したものを4裂と呼んでおり、現在でも包帯の巾を表す呼称として残っています。当然ながら、裂が大きくなるほど巾が小さい(細い)包帯です。
当社では3裂から8裂までをご用意しています。
耳付き包帯
繊維がほつれないように端を加工したものを耳付き包帯と呼びます。
下図は包帯の端の部分の拡大図です。耳付き包帯は繊維が折り返されています。
耳なし
耳付き
「ふつうの」包帯と伸縮包帯
「ふつうの」包帯は綿100%で作られているため、伸縮性はほとんどありません。
このため、骨折や捻挫、打撲などの治療で患部を固定したい場合に使用されます。
伸縮包帯は綿にポリウレタン繊維を織り込んでおり、高い伸縮性を有しています。
このため、関節などにも巻きやすい他、クッション性があるため患部周辺を保護することができます。
当社では伸縮包帯のサイズを「5cm×5m(伸長)」のように表記していますが、これは引き伸ばした状態で5mという意味です。
リント布
リント布とは、起毛加工を施した綿布のことです。
リント(lint)とは綿花から取れる繊維のうち、繊維の長さが長いものを指します。
起毛加工した面(毛が出ている面)に薬剤を塗布し、患部に貼り付けて使用します。
三角巾
三角巾とは、応急処置などに用いられる包帯の一種で、直角二等辺三角形の形をしています。
使い方はあまり知られていませんが、適切に使えば様々な部位の様々な怪我に利用可能です。
各地の消防署や日本赤十字社などで講習を行っているので、万一に備えて受講してみてはいかがでしょうか?
また、ねじってロープ替わりにする、そのまま広げて風呂敷替わりにする、といった使い方もあります。